T・D・ラッキー博士の実験
※宇宙飛行士は2週間もの間、地球上の数百倍という宇宙線(放射線)を浴びることになります。これが身体にとってどのくらいのダメージになるのか? 当時のNASAの医学顧問でミズーリ大学の生命科学教授であったトーマス・D・ラッキー博士は、「人体への放射線の影響」を10年にわたり調査しました。結果はそれまでの定説に反して「宇宙飛行士たちは宇宙に行くと元気になって帰ってくる」というものでした。これを証明するために同じ放射線量をネズミ浴びせた実験では筋肉内のがん抑制遺伝子p53の活性が直ぐに4倍まで上がり、その後は3倍で維持されるというものでした。その後は世界中で様々な基礎実験や臨床効果の報告があり、現在3,000以上の論文が存在しています。
放射線ホルミシスのホルモン活性
放射線(ラドン泉)を吸入後のウサギのホルモンの変化
A:青い直線は放射線に比例して障害が発生するとする「しきい値なしの直線モデル」。
B:赤い線は低線量であれば、放射線はかえって刺激効果となり健康に寄与するとする「しきい値ありのホルミシスモデル」。
T.D.ラッキー:放射線ホルミシス
ソフトサイエンス社(1993年)より
その他の実験
1)放射線ホルミシスの酵素活性
マウスに放射線(X線)を全身照射後、脾臓細胞の酵素活性レベルを検査 低線量の放射線照射後、4時間で抗酸化酵素のSOD、GPxが増加し、8週間にわたってその濃度が持続された。東京大学 二木先生、岡山大学 山岡聖典先生の研究より
2)ガン抑制遺伝子p53の各臓器での活性変化 ー 照射後6時間後
8匹の大ネズミを使用した実験で、各臓器のp53タンパクは低線量放射線照射後に明らかな活性が認められた。奈良県立医科大学 医学部 教授 大西 武雄先生の実験結果より
3)糖尿病発生の抑制
生体の防御機能を高める
糖尿病になりやすい体質のマウス(病態モデルマウス)に低線量の放射線を照射すると、グラフのように糖尿病の発症の抑制が明らかになりました。低線量の放射線は生体の防御機能を高める効果があり、さまざまな生活習慣病にも有効と考えられます。
糖尿病の発症抑制効果
(財)電力中央研究所 研究報告G02001より
1. ラドンとトロン
ホルミシス効果を宣伝した商品はとてもたくさん存在しています。効果は筋肉痛改善程度のものから癌抑制のものまでとても幅あります。ちなみに治療に効果のあるラドン(222Rn)の半減期は3.8日で、ウラン238からラジウム226となり、大気中にラドン222として発生するものです。本来これをラドンと呼びます。一方、多くのホルミシス治療に使われているものはトリウム230からラジウム224となり、大気中にラドン220として発せられるもので、トロンと呼びます。これは半減期が55秒しかありませんので、十分な効果は難しいのです。2. 放射線の種類の違い
レントゲン検査に使用される放射線はX線と呼びます。これはガンマー(γ)線と同じでアルミニウム程度は通過して、鉛の壁で遮断されます。ベーター(β)線はアルミニウムで遮断される浸透力です。一方、アルファ(α)線は紙をも通過できない透過力なのですが、これこそが細胞に直接大きなエネルギーを放射して強い刺激を与えることで組織や細胞に強い生体反応を促し、免疫を飛躍的に高める治療の効果のあるものなのです。※ラジウム鉱石は絶えずラドン(不活性な気体)のアルファ(α)線を放出しています。
3. 放射線量の違い
治療効果のあるラドン濃度は最低1,000ベクレル(Bq/m3)以上が必要とされています。
日本のラジウム鉱石から発せられるラドンを利用した温泉施設には秋田県の玉川温泉、山梨県の益富温泉、鳥取県の三朝温泉などが有名ですが、ラドン濃度は450~2,000ベクレル(Bq/m3)ほどです。海外で有名なオーストリアのバドガシュタインでは44,000ベクレル(Bq/m3)です。この差は鉱石の純度によるものです。線量の少ない鉱石はその空間に滞在する時間を長くし、回数を増やすことで効果を高める必要があります。 今回クリニックで使用するαレスピロRnは20,000,000(2,000万)ベクレル(Bq/m3)のものです。放出する線量は一定しませんので、これは平均値です。現時点では人体に影響なく、効果の出せる国内最大線量のものです。4. 使用方法の違い
ラドンα線は90%が肺から吸収されます。よって湿度と温度が高い方が高率は良いとされています。残りの10%は皮膚から体内に吸収されます。効率よく体内に吸収されるためには呼気からの条件が大切になるわけです。これにより血流とともに全身に運ばれ、細胞を直に刺激作用することで強い生体反応が促され、免疫を高めることが可能になります。現在、国内外の病院や保養施設では病気の治療だけでなく、健康維持や美容、スポーツの分野でも広く応用されている理由は明らかな臨床効果によります。
当院での使用方法
1. αレスピロRnにて鼻腔から20,000万ベクレルのα線を呼気で吸引する。2. 湿度が必要なため、ミストで1,500ベクレルのα線を補助に使用する。
3. 飲水1,500ベクレルのα線を補助に使用する。 論文 | 株式会社リード&カンパニー:放射線ホルミシスラドンα線療法