中野市の形成外科,美容外科,皮膚科,整形外科 たかはしクリニック

2016.05.25

KIDSコマチ 2016夏号にて、連載中の子供の困った解決アドバイスを掲載しております。
こちらよりご覧頂けます。


高橋嗣明先生の
子どもの困った解決アドバイス


子育てに悩みはつきもの…。なかなか思い通りにならない我が子の成長や行動に悩んでどこへ相談していいかすらわからない方も多いのでは。このコーナーは、投薬に頼らない栄養療法「オーソモレキュラー療法」を実践する『たかはしクリニック』(中野市)の高橋嗣明院長先生に、お母さんたちのリアルな悩み事を解決していただくコーナーです。些細なコトから、みんながぶつかるあんな悩みまで。先生にとことんぶつけてみました。

 
うちは子どもが5人いるんですが、5人も育てているといろいろあります(笑)。お兄ちんはアトピーだったんですが、原因は何なんだろう?と、不調を引き起こす原因を知りたくなったんです。原因を探していくと、治るものが多いことがわかりました。いまの時代、落ち着きがないといって病院へ行くと、精神科で落ち着かせる薬が出ちゃうし、飲んでうまくいけばいいけど、うまくいかなかった場合は学校へも行けなくなってしまう。
もともと人間の仕組みには原因があるんです。根本をたどって原因を見つけ、原因を改善すれば不調も治ります。できるだけ薬に頼らず、病院にかからないようにできればいいですね。自分の子育てで、自分自身が苦労したので、同じ思いで悩んでいるお母さんたちの悩みをとりのぞき、少しでも気持ちが晴れ、楽しい育児ができることを願っています。子育てで一番大切なのは〝お母さんの笑顔〟ですからね。悩んでいることがあったら何でも相談してください。

 
【Q.1】
生後2カ月から乳児湿疹がひどく、保湿剤やワセリンなどを使っていて湿疹はほとんどなくなったのですが、乾燥肌のせいか体をよく掻きむしります(睡眠中にも掻きます)。また、これからの季節、どんな日焼け止めを選んであげたら良いのかアドバイスを頂きたいです。

【A】
生後2カ月から始まった湿疹の原因のほとんどは母乳中の栄養の問題です。当院では小さなお子さんの場合、お母さんの血液からお子さんの栄養欠損を推測しますが、親子で調べると見事に不足する栄養素は一致します。多くは「タンパク質」「鉄」「亜鉛」が足りていない場合が多いですね。養殖ではない魚(特に青魚、煮干し)、お肉(特にレバー)に含まれる成分は有効な栄養素が豊富なので、積極的にとるようにしてみましょう。また、これは皮膚科医でも知らない人が多いのですが、血糖のコントロールに関与する副腎からのアドレナリン分泌を安定化することも肌の痒みをコントロールすることにつながります。お菓子、ジュース、パン、パスタなどを食べたあとに痒がるようであれば糖質過剰の食事は控えてみたほうがいいですね。
また、日焼け止めはかえって刺激に なってしまうため、オススメはできません。SPFの数値が高いものほど成分的に問題は多くなると思ってください。SPF 50 なんてものがありますが、まったく必要ないです。使うのだったらできるだけ弱いものを。直射日光を長時間浴びる機会があるとき以外は、子どもに日焼け止めは必要ではないです。肌修復にも免疫的に関係するビタミンDは栄養状態が良ければ日陰でも作ることができます。日焼けしても問題にならない丈夫な肌は栄養の仕組みで作られていることを知りましょう。

 
【Q.2】
果物が大好きでよく食べるのですが、1日にどのくらいの量をあげて良いのでしょうか? (例:1日にバナナ2本、イチゴ6 粒くらいあげたりします)

【A】
まずはじめに、おっぱいしか飲んでいなかった赤ちゃんが、離乳期になり、急激に糖が多い食べ物を食べるようになることがいいわけありません。果物はビタミンも入っていますので、非常に便利な食材なんですが、果糖が多く含まれている果物は注意が必要です。特にバナナは要注意です。でんぷんが多く急激に血糖を上げる効果があるので、マラソン選手などをはじめ、運動中のエネルギー補給には便利とされていますが、それ以外での摂取は注意が必要です。果物をあげるなら空腹時のときではなく、食後のデザートとして。量として好ましいのは、リンゴなら1/4個、ブドウなら数粒程度が目安です。

 
【Q.3】
1歳になるわが子はまだ歯が生えていません。毎日、毎日歯が生えないかチェックしてま す。平均より発育が遅い気がします。大丈夫でしょうか?

【A】
歯は生まれた時から生えている子がいるくらい個人差があります。通常7~8カ月で生え始めることが多いですが、1歳過ぎてから生えるケースもあるので様子を見ても構いません。乳歯のもととなる歯胚(エナメル質のもと)は妊娠初期のお母さんの栄養状態に関係します。この時期にタンパク質、ビタミンAが十分に足りていると十分なエナメル質が作られるため歯の表面が硬くなめらかになります。虫歯になったことがないという人がいますが、これはお母さんが妊娠期に良い栄養の取り方をしたおかげですよね。また永久歯は離乳期に十分な栄養が足りていたかが重要なため、今の食事も見直しましょう。歯の内側の象牙質はコラーゲンが主な成分のためビタミンC、鉄、タンパク質に加えてビタミンAが必要となります。コラーゲンは日々ターンオーバーしているため継続的に栄養に注意が必要です。虫歯にだけ気をつけるのではなく、根本的に歯を丈夫にしてゆくアプローチを考えるようにしてください。ここでも動物性タンパク質が重要です。今後お困りなことがあれば小児歯科へご相談ください。

 
【Q.4】
2歳の上の子がやんちゃでまったく言う事を聞かず悪さばかり。おもちゃを大事にしない、壊す、片付けない。座ってご飯を食べれない。人の話を聞かない。危ないことばかりします。

【A】
言葉を上手に使えない子どもは体を使って訴えてきします。特に言葉の遅い子ほど激しいですよね。自分の言葉でうまく伝えられないので動きが活発になるんです。言うことを聞かせるために、お菓子やジュースあげる親が多いですが、それはやめてくださいね。先ほども申し上げたように血糖値のコントロールができなくなると、脳内で〝理解をする〟ことや〝我慢をする〟物質の合成が少なくなり、余計に気持ちが落ち着かなくなります。一般にはこれが続くとADHD(注意欠陥多動症)と診断されがちですが、血糖値コントロールに注意する食生活にして、タンパク質、鉄、ビタミンB を十分に摂取すると、落ち着きを取り戻し、我慢が出来るようになるお子さんはたくさんいます。また一部に遅延型アレルギーが関与しているお子さんもいます。前号で詳しく載せていますので参考にしてください。

 
【Q.5】
断乳後の水分補給を麦茶やベビー飲料で補っていますが、ベビー飲料はあげすぎると良くないのでしょうか?

【A】
水分補給は水または麦茶のみにしましょう。糖分の入ったベビー飲料は糖過剰になります。そもそも赤ちゃんは血糖値の上がらない母乳を摂っていたのですから、急に糖過剰になるとビタミンB1欠乏になることが予想されます。乳児突然死症候群の原因にビタミンB 1欠乏による脚気(かっけ)が危惧されると考えている専門家もいます。
また夏場に汗で失われるミネラルは海塩を微量口に含ませるか、市販のにがり(1適/日)を水に含ませるなど自然界にあるもので摂らせましょう。乳酸菌飲料、100%ジュース、イオン飲料、野菜ジュースなども同様にたくさん糖分が含まれているので問題があります。また咀嚼することが非常に重要なので、栄養はなるべく歯で噛んでカラダに取り入れることを基本にしましょう。

 

お子さんの問題は外来で「様子を見てください」と言われがちのことも多いのですが、今困っていることは早めに解決してゆきましょう♪

また、美ママのためのアドバイスも掲載中です。
詳しくはこちら


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たかはし先生の美ママアドバイス!

 
【Q】
昔から冷え性で、夏場のクーラーが苦手です。こどもを出産してから頭痛がひどくなり、疲れやすくなりました…

【A】
隠れ貧血ってなに?
冷え性や疲れは甲状腺機能の低下が見逃されていることもあります。潜在性を含めると女性の10%は低下症と言われています。基礎代謝の維持や体温調節を行っている甲状腺ホルモンには鉄が関与しているため、貧血があると症状は悪化します。一般には鉄不足での貧血の指標にヘモグロビンをみますが、その値が十分でも鉄不足は存在します。これが「隠れ貧血」と言われている状態です。鉄は様々な酵素の活性を補助します。それを十分理解した上で、貯蔵鉄(フェリチン)を中心に鉄が関与するすべての血液データを読み取る知識が要求されるため、見逃されているケースが多い病態なのです。そして女性の不定主訴の多くがこ の「隠れ貧血」の改善で解決できます。冷え症や原因不明の片頭痛、立ちくらみ、イライラ感、朝起きづらい、疲れやすい、などは比較的早期に解決できる症状です。ただしここで無機鉄(医薬品の鉄)を過剰に摂取したり、鉄の静脈注射を続けているとまれに鉄過剰症になります。肉・魚などからの鉄補給ではまず過剰症は起きませんので、安全な形での補充をおすすめします。女性は月経があるため男性の2倍量、妊娠・出産時には3倍量の鉄が失われます。必要量が満たされなければ貯蔵は減る一方です。また、無理なダイエットも鉄欠乏を促進します。

知識のある医師に時々管理してもらいながら安全に鉄を貯めていきましよう。

 

 

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