中野市の形成外科,美容外科,皮膚科,整形外科たかはしクリニック

アトピー性皮膚炎と脱ステロイド

2025.03.27

ステロイド剤は抗炎症、免疫抑制作用に優れた効果を発揮する薬剤です。

ただ、効果が早いので何度も何日も何ヵ月も使ってしまい、離脱できなくなっていき、長期にわたって塗布や内服薬を利用している方は大勢いらっしゃることでしょう。

根本治療になっていないことと、副作用が多いことは重々承知の上だと思います。

頑張って脱ステロイドをすると、無理やり炎症を押さえつけていたものがなくなるためと、長期によるステロイド塗布により、経皮吸収してきた薬剤を皮膚から出そうとする（解毒排泄）反応も含め、一気に肌が荒れてしまう方がほとんどです。

出し切るまでは痒いし、乾燥するし、また、かきむしることで傷つくし、一定期間は本当に辛い状況になります。
でもいずれは必ず落ち着いてきますので、頑張って抜け出していただきたいです。

今まで、多くの方の肌改善を目の前でみさせていただきました。

ご本人の努力のたまもの以外何物でもありません。
それは飲食の引き算や生活習慣の改善、栄養素の充足や電磁波対策、腸内環境の見直しなどなど。
他にも個々に取り組むことは違うので、一概にどの方法が良いなどは言えませんが、まず過去のブログを参考になさってみてください。
何か方法が見つかるかもしれません。

さらに、脱ステの助けになるものとして、いくつか紹介していきます。

復習になりますがまずは栄養から。

この数年のコロナ禍で注目されたビタミンＤは、「カテリシジン」という抗菌殺菌効果のあるタンパクを作り出すのに重要な役割を果たしますので、血中濃度を上げておくことはとても大事になります。

サプリメントを利用されるなら1日10000IUほどはしっかりと摂取するように心がけてください。
脂の多い魚に良く含まれていますので、EPAリッチ（抗炎症作用）の意味も含め、毎日いろいろな種類の魚を楽しんで食べるようにしてみましょう。

さらに、ビタミンＤを活性化していくには鉄が必要となりますので、貧血がない状態にしておくことも大切です。
鉄分はビタミンCと共に、皮膚コラーゲンの材料にもなるため、皮膚の修復には欠かせない栄養素になります。
慣行農業が進み、今の土壌には亜鉛や鉄分が少なく、野菜や穀物、果物からではこれらミネラルは今や補いきれなくなっています。
菜食主義の方はきちんと補えるようにサプリ等を上手に利用してください。

また、腸内と同様に皮膚にいる様々な常在菌(約40種類)がバランス良く存在していることも、健全な肌には大切な条件となります。
これが崩れると菌たちが皮脂膜を上手に作れなくなることで乾燥が激しくなり、外的刺激にやられやすくなってしまいます。

皮膚常在菌の分泌液グリセリンは皮膚を弱酸性に保つ役目がありますが、
phが崩れると真菌が繫殖しやすくなり、皮膚を悪化させてしまいます。なので、自分でこの天然の保護膜を作れるようにしていくことが目標になります。

常在菌叢を乱し、悪さをしている真菌には断然ナマコエキス（ホロトキシン）が効くことはご存じですか。

60年前に島田恵年氏がナマコの研究を行い、抗真菌作用のあるホロトキシンを見つけ、その論文がアメリカの科学雑誌サイエンス誌に掲載されました。

ホロトキシンは、
皮膚真菌症（アトピーやニキビなど）の原因になっているマラセチア菌、カンジタ菌、白癬菌、
他にもペットにも多いクリプトコッカス菌、
野菜に多いフザリウム菌や赤カビ、
住まいに多い黒カビ、アスペルギルス
などあらゆる種類のカビに高い抗菌力を発揮します。

すごいよナマコ!

というよりか、それを発見した島田先生がすごいです。

大手メーカーの宣伝活動があれば世界中で活用されてもおかしくないくらいの成分。
サイエンス誌に載ったくらいなので、各国からの商品開発のお誘いがあったようですが、商売気のない島田先生はすべて断ったと聞いています。

踵のひどいがさつき、爪白癬、膣カンジタ、フケ、ニキビ、アトピーの方は、真菌（カビ）が原因のことがほとんどですので、島田先生の理念を継承しているホロスリン製薬さん開発のナマコエキス配合「シルクリオ」をぜひ使ってみてください。

ナマコエキスは、カビにしか抗菌効果はなく、皮膚にいる微生物はちゃんと育ててくれます。
また、一緒に入っているシルク(人のアミノ酸と同じ構成成分で医療にも使われている良質なシルク粉末)で、皮膚表面をコーティングし疑似的に菌たちの住処を作ってくれるため、今後自分で皮脂膜を作りやすい環境にしてくれます。

ぜひペットちゃんの肌荒れにも使ってみてください。洗っている飼い主さんの手がしっとりしてきますよ。

脱ステロイドの道のりは心が折れてしまうくらい大変なことだと思います。
頑張って抜け出した方々が配信されている情報はとても励みになると思いますので、ぜひ参考にしてください。
私たちも可能な限り集めた情報は今後も配信していきます。

クリニックの飾り付けは春爛漫🌸
皆さんの地域では桜は咲き始めましたか？
北信州は4月の2週目あたりが見頃となります。

たかはしクリニック副院長高橋真弓

栄養療法カウンセラー（一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP）、保健師、正看護師

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