中野市の形成外科,美容外科,皮膚科,整形外科たかはしクリニック

そのドックフードでワンちゃんの健康は守れません

2023.08.03

最近発売された、日本初の犬の栄養療法を大公開した、埼玉県アリス動物病院の獣医師　廣田順子先生のご著書「愛犬の不調は糖質が原因だった」は、とても分かりやすく栄養療法について書かれており、とても参考になります。

廣田先生は、長年にわたる診療の中、薬に頼らず食事を変えたらどの子も元気になっていくことをたくさんご経験されてきたそうです。
アリス動物病院ではホメオパシーや鍼灸、漢方治療のほかにも、積極的に栄養療法にも取り組んでおり、食事指導をメインに行い、不足があれば高濃度ビタミンC点滴やマイヤーズ点滴、ＣＢＤオイル、サプリメントに至るまで、人間と同じように栄養素を補充することも行っています。

アレルギーや肥満、糖尿病などの生活習慣病が増えているのは、犬も人間と変わりません。癌も2頭に1頭と言われており、多くは食事が引き金になっていると廣田先生は警鐘を鳴らしています。

人間だと受け入れがたい栄養不足の指導も、ワンちゃんに例えるとまるで自分のことを言い充てられているかのような錯覚になり、素直に食事を変えてみようか　という気になってしまう本の内容でしたので、ペットを飼っていない方でも参考になることでしょう。　

ワンちゃんを飼っている方は、まず下記の項目をチェックしてみましょう

最近元気がない
散歩を嫌がる、疲れやすい
寝てばかりいる
遊ばなくなった
最近太った、やせてきた
便秘、下痢をしやすい
食が細くなった
食べ物の好みが変わった
被毛のツヤがない
皮膚病が治らない
筋肉が落ちてきた

以上のことがあったら、栄養不足のサインかもしれません。

まず、お使いのペットフードの見直しから始めてみてください。
一般的なドックフードは糖質が多く含まれていて、タンパク質２０％、糖質４０％以上のものがほとんどです。（その主体がトウモロコシ、イモ、小麦）

犬は人間の２倍のタンパク質が必要なことと、犬は糖質の消化が得意ではないことも覚えておきましょう。不調の根底には糖質の多いドックフードがあることは否定できません。

ドックフードは総合栄養食ではありませんので、ペットショップで勧められたからという理由で、同じものを与え続けるのもやめることです。人と同じように、同じ食べ物は腸に負担がかかるため、遅延型アレルギーになる可能性もあります。オーガニック、無添加、ということに安心して選んでいませんか。

自分で食べるものを選択できないワンちゃんの健康は、飼い主さんの腕にかかっていることを自覚し、食事に対しての正しい知識を得る必要があります。

具合の悪いときは、まずドックフードをタンパク質３５％以上、糖質２０％のものに切り替えてみることや、トッピングに手作りのタンパク質のおかずを加えたりするとよいそうです。
この本にはトッピングのレシピも載っています。
犬は人間と同じ食事は与えてはいけないという考え方もあるようですが、基本は同じで良いそうです。生ものもオッケー。でも与えてはいけないものもありますので、どうぞこの本を参考になさってください。いきなり変えるとワンちゃんもびっくりするので、徐々にということです。

長い間、高糖質、低タンパクの栄養バランスの悪いフードを与えられていると、体はボロボロになり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなってしまいます。

廣田先生の診察は、まず食事を改めてもらうことから始まります。すると、次回診察時には皮膚がきれいになっていたり、フラフラだった子がしっかり歩けるようになっているそうです。
薬ではなく、栄養の力で不調の改善を！　

食べたもので体はできている
このフレーズは、人間だけでなく、当然ながら犬にも当てはまることですね。
愛犬を元気で長生きさせる食事のコツをぜひ学んでください。

ーー廣田先生のご著書から抜粋させていただきました。ーー

たかはしクリニック副院長高橋真弓

栄養療法カウンセラー（一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP）、保健師、正看護師

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