たかはしクリニック副院長高橋真弓
栄養療法カウンセラー(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP)、保健師、正看護師
グルテンフリー食を心がける方は、どうしても粉ものが好きでやめられない場合、米粉や、大豆粉で出来たお菓子や、パンを選ぶことが多くなると思います。
今は、とてもおいしく作られたものがたくさんあります。
でも、せっかく選んだ米粉パンや、大豆粉麺、お菓子などで、下痢になってしまったり、臭いのあるガスが出たり、便秘になってしまうこともあり、お悩みの方も増えているようです。
その原因は...
・まず、米粉といえども、コメ農家さんが製粉したものなら良いのですが、製粉工場で作られているものは、いろいろな粉を製造しているということもあり、即時型の小麦粉アレルギー(IgE)のある方は、反応している可能性があります。
・また、最近は米や大豆の遅延型アレルギー(IgG)のある方も多くいますので、もしかしたら、その反応のひとつかもしれません。
・美味しいからといって、続けてそればかり食べていると、これも腸に負担がかかります。習慣にしないことです。
・もしかしたら、農薬に反応しているかもしれません。有機や無農薬栽培のものを選んで違いがあるか比べてみてください。
・大豆は消化しにくい食材のひとつです。摂りすぎると消化不良をおこします。
・その製品は米粉100%ですか?ブレンドされている食材にも注意を払ってください。
グルテンフリーばかりに目を向けていると、もしかしたら取り組んでいることが、かえって「あだ」になっていることもあります。グルテンを避けたいけど、どうしても食べたい場合は、グルテン消化酵素剤も上手に利用すると良いでしょう。クリニックでも取り扱いがあります。
最終的には、小麦粉も時々なら楽しんで食べられるように、小腸を鍛えて?というよりか、正常化していくことが大事なのではないかと思います。
粉ものは、米粉や大豆粉以外でも代用はいくらでもあります。
ひとつは、ソルガム粉。
以前からクリニックでも取り扱い(クリニックオンラインストアにも)がありますが、最近は 地元「信州ソルガム普及促進協会 」の活動が盛んになってきて、ついこの間、ソルガムマルシェが長野市で開催されました。
参加した方にお聞きしたところ、大盛況だったようです。
それだけ注目されてきているということですね。
マルシェでは、粉ものスイーツはもちろんのこと、変わったところだと、ソルガム酢やソルガムビール、ソルガムミルクなどの出展もあったそうです。
ソルガムは、タカキビのこと。
世界五大穀物(小麦、稲、とうもろこし、大麦)のひとつです。食物繊維やオリゴ糖、ポリフェノールも豊富に含まれ、栄養価の高い雑穀です。アメリカやアフリカ産がネット上で売られていますが、出所のはっきりしている、無農薬栽培の信州ソルガムを選ばれるとよいでしょう。
クリニックでもこのソルガム粉を使ったプロテインクッキーや、パンの販売をしています。
グルテンフリーの代用に、ソルガムをぜひお試しください。
素朴でぼそぼそするので、何かとブレンドするのが美味しく食べるコツです。プロテインクッキーは、ひよこ豆水煮を混ぜ、甘味はココナッツオイルでつけていますよ。
最後に、
小麦と植物油脂などを完全に辞めたら、ずっと治らなかったニキビ跡の肌がきれいになってきたと教えてくれた男性の患者さんがいました。
食べ物の引き算の作業は、栄養の足し算よりも大事だと口酸っぱくいつもお伝えしています。
きちんと守ってくださる方は、このように結果が出るため、とても嬉しいです。
今は、グルテンフリーが注目されていますが、もしかしたら、あなたにとって負担になる食べ物は別なものかもしれません...。
教えてくれている身体の反応(下痢や便秘など)を無視しないようにしてくださいね。
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