たかはしクリニック副院長高橋真弓
栄養療法カウンセラー(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP)、保健師、正看護師
20代男性 頭痛が小学生の頃から2日に一度は必ず起き、その頭痛も毎回6時間寝込んでしまうくらいひどく、痛み止めを手放すことができませんでした。
学生の頃には「学校をさぼりたいからそんなことを言うのではないか」などと辛さを理解してもらえることがなく、悩みのたねは増える一方だったそうです。
頭痛に限らず、腹痛でも関節痛でも、見た目に変化がない状態だと 当の本人にしかわかりませんので、周りに上手く伝わりにくいことが多く、精神的な負担もかかることは想像できます。
この方は、支援してくれているカウンセラーの方から、遅延型アレルギー(IgG)を一度調べてごらん と声をかけてもらい当院に来られました。
IgGは、簡単に言えば腸に負担になっている食べ物を見つけていく血液検査です。120項目の食材を調べることができます。
アレルギー症状が明確にありながらも、即時型アレルギー(IgE)では陰性で、原因がわからない方や、原因不明の慢性症状が続く方の 原因究明のツールとして、とても有用です。
その症状は多彩で、特定の食材を食べた後、しばらくしてから身体がだるくなる、頭痛や下痢 便秘、うつやアトピー、繰り返すニキビ、不眠や関節痛、お子さんの発達障害にも関係したりもします。
これら慢性疾患が、腸内細菌叢と強く反応していることもわかってきており、免疫が落ちたり 生活習慣が乱れたり ストレスがたまってきたりすると、細菌叢のバランスが崩れ、特定食材に免疫が過剰に反応してしまうというわけです。
つくづく、腸は要だと痛感します。
IgGの結果は、米や大豆など普段食べているものも反応することも多く、カットしていくのが大変な方も出てきます。
ドクターからの指導はそれぞれ異なると思いますが、当院では3か月間は完全にカットしていただき、一旦身体をリセットしてもらいます。そして、ゼロの状態から1品ずつ解除していき反応をみるわけです。遅く出る反応なので、余裕をみて1品につき1週間は様子を見てください。
てきめんに反応し症状が再発したら、やはりその食材は腸が受け付けないものだと認識できます。この場合は今後も食べないほうが良いでしょう。
反応しなければ、抗体価は下がっていますので、その後は(元々反応しやすい食材ということを忘れずに)、ローテーションで食べるように工夫をします。
小麦や大豆に反応していれば醬油もとりません。あわやひえで出来た醬油があります。
粉ものは、芋、小麦、米、大豆が引っかかれば、片栗粉も米粉も大豆粉も使えません。ソルガム粉(たかきび)やそば粉などで代用してください。
こんなのできない とめげてしまう人もいらっしゃいますが、今までの経験上 丁寧に取り組んだ人ほど改善されていくのが顕著にわかっています。
冒頭の方の頭痛は2日に1回必ず起きていたのが、初診から再診の38日間で4回しか起きませんでした。
こんなに良くなるなんて驚きました!と、とても喜んでいらっしゃいました。もちろん不安で事前に飲んでいた痛み止め薬も飲まなくなっています。
この頭痛が起きたタイミングは、明確にはわかりませんが、タピオカ澱粉を揚げ物やソテーのまぶし粉に使った翌日から2日後だったことから、でんぷん質に反応したかもとおっしゃっていました。次回再診までやめてみての評価を、また聞かせてもらうことになっています。
こんなふうに、自分で治療する意識を持って取り組んでいる方は、本当に結果が早く出ると感じます。
誰かに、治してとゆだねていると、なかなか思うように進まない・・・治療者は自分です。真摯に自分の身体に向き合い、その声を聴くことです。ちゃんと信号が出ているはずですから。
反応していた食材があまりにも多い場合は、LGSの可能性があります。LGSの診断は、ゾヌリン検査をしなければ確定できませんので、安易には言ってはいけないのですが、腸の環境が良くないことは確かです。
成長期のお子さんでも、全ての食材に反応してしまうほど腸壁がボロボロのことがあります。ほぼLGSでしょう。
その場合は、反応していた食材を食べない選択ではなく(基本の乳と小麦はやめてもらいますが)、サプリメントを利用しながら色々な食材をローテーションで食べ、様子をみていきます。
サプリメントは、アメリカで40年以上前から研究開発され、絶大な信頼のある メタジェニクス社 の製品がオススメで、消化を助ける消化酵素剤「スペクトラザイム」の利用と、胃腸粘膜修復の「グルタミン」や「グルタジェニクス」、同時に乳酸菌「バイオームプロ」もとるとよいでしょう。EPAも有効です。
腸の炎症にしっかりアプローチしていきます。
まず、サプリメントを2ヵ月ぐらいしっかり使って、腸内を整えておいてから 食材のカットをしていくと、苦労せずに取り組めるかもしれませんね。
腸壁と腸内細菌叢を整えていくアプローチは、個人差がありますので 都度状態に応じていきます。
消化管の改善は時間がかかることが多いですので、焦らずに取り組んでいきましょう。
今回は、食材の引き算のみで顕著に症状が改善した 嬉しい報告でした!
秋の桜 コスモス🌸
花ことばは「調和」
腸内細菌叢も調和が大切です。負担のかからない食べ方を。
■ 住所
〒383-0015
長野県中野市吉田890-1[地図]
■ TEL
0269-26-3001
■ FAX
0269-26-3002
■ 診療予約
あり/お電話にてご予約下さい。
■ 連絡方法
お電話にてお問い合わせ下さい。
■ 診療時間
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ○ | ○ | / | ○ | ○ | ○ | / |
午後 | ○ | ○ | / | 手 | ○ | / | / |
■ 診療科目
形成外科・整形外科・皮膚科・美容皮膚科・美容外科
・・・・・・・・・・・・・・・・
オーソモレキュラー療法・高濃度ビタミンC点滴・グルタチオン点滴・プラセンタ注射・遅延型アレルギー検査・各種レーザー治療
・・・・・・・・・・・・・・・・
小麦や乳製品を使わない おやつを紹介しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・