たかはしクリニック副院長高橋真弓
栄養療法カウンセラー(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP)、保健師、正看護師
夜遅くに、半泣き状態の患者さんからクリニックに電話がかかってきました。
「どうしよう… 私、妊娠したようなんですけど、こんなにビタミンAを摂っていても大丈夫でしょうか。
ネットで見ていたら、たくさん摂っていると危険だって書いてあります。
私、サプリメントで摂りすぎていたかもしれない…」
ビタミンAは妊娠初期に過剰に摂ると、胎児に奇形が起こる可能性があると言われています。
それは不安になりますよね。
この方は、口唇炎を繰り返している女性。
ただ今、妊活中ということで、必要な栄養素をご案内し、医療用サプリの鉄、亜鉛、ビタミンB・C・D・Aをお使いいただいていました。
今は情報過多時代。
皆さんもそうだと思いますが、いろいろ調べ始めると、あらゆることに過敏になってしまい、何が正しくて、何が間違っているのか判断できず、オロオロしてしまうことが多いでしょう。
最近は、自分の病態について調べてから来院される方が多く、質問も高度なことが多いと感じます。
少し前までは、こちらから説明することばかりでしたが、今は、調べてきたことに対して答えるという形式になってきました。
「オーソモレキュラーを学んでいると、ベースに栄養と生化学の知識があるから、何に関しても対応しやすいね」と、よく院長と話をすることが多いです。
さて、ビタミンAですが、ネット上で調べると「妊娠を控えている人や、妊娠初期の人は過剰摂取をやめましょう」と出てきます。
ビタミンAは、細胞の分化の正常化や器官形成に深く関わっていて、妊娠初期の細胞分裂が活発な胎児には、とても大事な栄養素。初乳にもたっぷり含まれています。本当は妊娠や授乳期こそ、積極的に摂っていただきたいものです。
大まかにビタミンAは、レチノール → レチナール → レチノイン酸と体内で代謝されます。レチノイン酸は最終段階のもので、特に骨や神経系の分化に関わるので、妊婦の大量投与は、胎児に影響が起こるから良くないと言われるようになりました。
でも、体内ではレチノイン酸を不活化するべく、多くの調整機構が働いているので、天然の形で摂った場合は、安全と考えていきます。
副作用の報告にあるビタミンAは、化学合成されたレチノイン酸の大量投与によるものです。決して、体内で厳密に代謝されているレチノイン酸でテストされたものではありません。
例えば、医薬品や合成のサプリメントなど外から投与されたそのままの化学的なレチノイン酸は、切れ味は良いけれど、過剰症にもなりうるでしょう。
レバーやウナギなどの食べ物や、クリニック取扱いのタラ肝油が原材料の医療用サプリメントのビタミンAは、体内で複雑な代謝を得て産生されるレチノイン酸なので合成のものと一緒にしないこと。安心して食べてください。
難しいかもしれませんが、ビタミンAの代謝について書いてみます。
まず、食物からは魚油やタラ肝油などのレチノール、レバー・動物性のレチニールエステル、にんじんなどのβカロチンが小腸上皮細胞内で、過剰症にならないように安全に代謝されます。
RBP(レチノール結合タンパク)と言って、ビタミンAに特異的なタンパク質がくっついて暴走しないように、また酸化しにくいように守られるのです。
さらに、CM(カイロミクロン)という輸送トラックに保護されながら、血中を移動します。肝臓に取り込まれストックするもの(必要時に出動します)、安易に体外に腎排泄されないように、TTR(トランスサイレチン)というタンパク質でさらにフタをし、ちゃんと必要なところに届けられるようになっています。
このように、何重にも保護されるシステムがあるビタミンAは、人にとってとても重要な栄養素だとご理解していただけますか?
何度も言いますが、「食べ物でも摂りすぎないように」とネット上では書かれていますが、大丈夫です。
安心してお召し上がりください。
レバーには、妊娠時に大量に必要になる鉄分や亜鉛も多く含まれています。ウナギはパーフェクトなくらいビタミンもミネラルも豊富です。美味しくいただきましょう。
天然由来のサプリも続けてお飲みください。
ピカピカのビタミンベビーを楽しみにしています!
この時期になると 患者さんから イナゴ🦗の佃煮をいただきます。
これがとっても美味しくて…😊
信州人になってきたことを実感❗
野尻湖とトンボ皆さん、カヌーやSUP、ヨットを楽しまれていました。
気持ちの良い秋晴れです☀️
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