中野市の形成外科,美容外科,皮膚科,整形外科たかはしクリニック

糖化は老化

2021.09.23

毎朝、パンとコーヒー、ヨーグルトが定番です。時々スムージーも飲みます。
昼は、まちまちですが、今日は友人とランチでパスタとサラダセット、デザートはタルトを食べました。
おやつは、会社で出してくれるクッキーやおせんべい。
夕食は、家族が一緒なので、バランスよく食べていて、しょうが焼きとレタス、ゆでとうもろこしと冷やっこ、コメは玄米にしています。食後に梨半分です。

とおっしゃるA子さん。食べることが大好きで、美味しいお店の情報通です。

最近疲れやすく、何をやっても集中力がなくなってきました。お肌のハリもなく、たるんできています。市販のサプリメントはマルチビタミンと、ビタミンCを飲んでいますが、効いている気がしません。

A子さんの食事は女性に多いパターンですが、見直し必要です。かなりのタンパク質不足と、明らかな糖質過剰になっているのがわかりますか？３食に加えおやつにも糖類ばかりです。

これでは、食後の高血糖が起こることにより、低血糖症状を繰り返すパターンであり、具合が悪くなるのは当たり前です。もちろん、運動や筋肉量の有無によっては、糖質も大事な栄養素になりますので考慮しますが、A子さんは、運動もしていないデスクワークのOLさん。甘いものや、大好きなパン・麺の制限が必要になります。フルーツ王国の信州では、お話しづらいのですが、果糖も体内のコラーゲンを糖化させる原因のひとつといわれています。食べすぎないようにしてください。

■ 糖化［AGEs］とは
Advanced Glycation End Productsの略で、終末糖化合物のこと。
体内のタンパク質と糖の結びつき「糖化したタンパク質」がつくられ、それが体内にどんどん蓄積してしまうという現象です。
このAGEsは、肌だけでなく骨も卵子も糖化させます。肌は、コラーゲン繊維の弾力が低下してくるので、ハリがなくなり、透明感のないくすんだ肌へ。
不妊症でお悩みの方は、卵子を糖化・老化させないように気をつけます。決まった数しかない卵子を生き生きとさせること。不妊治療中は砂糖を制限しましょう。
骨の糖化もやっかいで、ボロボロに崩れやすくなり骨粗しょう症の原因となっていきます。若い頃からの積み重ねが、閉経以降の骨に影響することも、どうか忘れずに。
糖化は美容のみならず、他にも血管障害や認知症の原因になるなど、全身のあらゆるところにトラブルが出やすくなることを知っておいてください。

スイーツが大好きな方、炭水化物がないと気が済まない方は、真面目に考えた方が良さそうです。

よく精製された白砂糖より黒糖やハチミツ・メープルシロップ・きび砂糖はどうかと聞かれますが、白くても黒くても血糖の上昇は変わらずあります。
血糖コントロールも上手にいかなくなると、当然自律神経も乱れてくるので、酸化ストレスも増し、体内は「コゲ」だけでなく「サビ」てもいきます。
糖とのつき合い方は、どの世代にも当てはまるテーマですね。
気になる方は、まず、

食後高血糖を起こさないように、食べ方の工夫をしてみましょう。
・お腹がすいた状態で糖質を食べないように。例えば、小腹がすいたからフルーツを食べる、チョコを食べる、
　ランチはおにぎりやパンのみと野菜ジュース、夕方疲れたからエナジードリンクを飲む等。
・ゆっくり消化吸収させるように先にタンパク質や食物繊維を食べておくなど、食べ順を気にして下さい。
・血糖値が上昇しやすい高GI値の食品はさけるように。
・粉ものの利用は控え、丸ごとという意識は大切です。例えば、小麦粉製品よりか、米等。
・食事はおかずから食べるようにして、なるべくこれで満足できるようにするとよいでしょう。

糖を好んで食べていると、ビタミンB群や亜鉛は消耗されやすくなるので、
適宜補充することをおすすめします。

自分の血糖調節具合を数値で知りたければ、採血してみましょう。
・空腹時血糖、HbA1C、グリコアルブミン、1.5AG。これらは、決して基準値に入っているからOKではなく、読みこみをしっかりしてくれる先生に解析してもらうように。

追加しておくと、甘いものがやめられなかったりパンが大好きだったりする方は、カンジタ除菌が必要な方かもしれません。
肌荒れが治りにくい人、膣カンジタを繰り返す人、腸の具合が悪い人は、カンジタ菌の出す毒素（アセトアルデヒド、アンモニア、3-オキソグルタル酸）にやられていることがあります。
慢性疲労や頭痛、頭の中に霧がかかったような状態がでてきます。

カンジタ菌は砂糖が大好物！ぜひ断ち切る努力を。

美味しいものにあふれ、食欲の増す秋は、余程注意しないと大変なことに…。
欲するだけ、好きなだけ、は止め、（案外腸内細菌の仕業だったりします）程々にしてくださいね。　

日本三大峡谷のひとつ、清津峡の雄大な景観美は、長い年月をかけてつくりだされました。
六角柱状の岩を間近に眺め、圧倒的な美しさに惚れ惚れします。

私たちも、年月を重ねていき、より美しくありたいですね。

たかはしクリニック副院長高橋真弓

栄養療法カウンセラー（一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP）、保健師、正看護師

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