たかはしクリニック副院長高橋真弓
栄養療法カウンセラー(一般社団法人オーソモレキュラー栄養医学研究所認定ONP)、保健師、正看護師
クリスマスの楽しい季節がやってきました。
11月22日の信濃毎日新聞に掲載されていた情報ですが、サンタクロースがフィンランドから信州にやってきます!毎年手紙の差し出しが多かった県に訪れてくれるそうです。記念撮影やパレードも開催され、賑やかになることでしょうね。
さて、クリスマスといえばケーキや洋菓子のオンパレード。どのお店にも新商品が並び、広告から雑誌までクリスマス一色となります。なんとなく食べなきゃいけない雰囲気にもなってくるでしょう。甘〜い誘惑にどこまで勝てるか…。
毎年感じますが、クリスマス・お正月を過ぎるとアトピー患者さんは肌が荒れ、ニキビ治療中の方は悪化し、薬を飲んでいる方は抑うつがひどくなり、副腎疲労の方はさらに疲れはて、糖尿病の方は数値が悪くなります。皆さん「ちょっとならいいか」と糖を食べてしまうんですね。もちろん楽しむことはとても良いことですが、その「ちょっとなら…」が後々、症状悪化につながることを忘れないでください。「またやっちゃったよ」と笑いながら肌をボリボリ掻きむしっている方には「自業自得、自覚できてよかったですね。」というしかなかったりします…。
日本は一年通してスイーツにあふれていますが、そんな状況でも上手に糖尿病と付き合っている方がいます。よい機会なので今回は、「すごい!立派!」としか言いようがない程、自己管理が徹底している患者さんをご紹介します。
Oさんは初めて当院に来た4年前はインスリン注射もし、糖尿病の薬を5種内服していたにもかかわらずいつも空腹時の血糖値が400以上と安定せず、常に低血糖症状との戦いの日々でした。そのOさん、今秋は空腹時血糖が90前後、HbA1Cが6.2、グリコアルブミンが14.6、もちろんインスリン注射も糖尿病薬内服もなく、食事管理だけで糖尿病と上手につき合っています。体重も90kgから現在62kgまで減量し、身も心もスッキリしました。
いつもケラケラと笑っていてとても明るく、こちらが元気をもらっているくらい素敵な方です。
Oさんは学ぶ姿勢が素晴らしく、当院だけでなく様々な病院にかかり知識を得ています。
京都にある江部康二先生が理事長を務める高雄病院にも自ら入院し、治療を受けました。薬の調節から食事管理までたたきこんでもらい、入院2回目の今秋は朝食をとらない半日断食とスーパー糖質制限食にてさらに4kg減量し、標準体重となりました。入院中は夜間に血糖値が50台まで下がったそうですが、「このくらい大丈夫だよ」と江部先生から言われ(ちゃんと根拠がある上での指導です)、乗り切った今は体が慣れたようで、1日2食を守っているそうです。基礎代謝が低いタイプの人は、やはりカロリー計算が必要な食事となります。
入院中は実験(?)もやります。
「糖質(ごはん)を食べると、どのくらい血糖が上がるのか」というのを自己確認するためです。Oさんはリブレ(自己血糖測定器)も持参し毎日の血糖測定も欠かしませんでした。リブレはつけっぱなしなので24時間測定できます。
表を見せてもらいましたが、すでに管理ができていた方だったので、入院当初でも常に110前後をキープできていました。2週間後の退院が近づくにつれ、80台で安定となりました。面白いことに、糖質を食べた実験日とその次の日は140〜160が出るなど、不安定なデータになっていました。ようやく実験4日目あたりから110前後となり(まだ150なども出ます)、5日目から100以内にもどり安定しました。
1度きりでも糖質を食べたら数日血糖は安定しないということも自覚できたようです。
Oさんはインスリン抵抗性傾向もあるため、まだ管理は必要となりますが、このままスーパー糖質制限食を継続することで、血糖コントロールは安定できると江部先生からお言葉をいただいています。
糖質だけが血糖値を上昇させる。これはまぎれもない事実です。
糖質制限食は糖尿病治療には有効です。糖尿病専門医や患者さんの誰もが理解し、実践すべきことだと思うのですが、日本ではまだまだ受け入れが難しいことも確かです。
これだけ砂糖が出回り、米や果物も豊富、粉もの文化もある長野県では余計に難しいでしょう。その難しい県に居ながらもOさんは食事だけで糖尿病を改善しました!
米は食べなくても、実は野菜にも糖質は入っています。どんなに制限しても糖質はゼロになることはありません。また、肝臓でも糖新生といって糖を作り出すシステムが人間には備わっています。枯渇しないように上手にコントロールしているのです。
血糖コントロールが上手にできるようになると、食後高血糖が生じない(グルコーススパイクがない)ため、糖尿病合併症は予防できるというわけです。今や糖質制限食は糖尿病だけでなく「ガン細胞の増殖を抑える」「アトピー性皮膚炎も改善していく」「歯周病管理ができる」「スポーツや脳のパフォーマンスを上げる」など、様々なリスクを抑えたり体の機能をアップさせたりするのに役立ちます。
数年前から流行している「糖質制限」。このキーワードだけで、やみくもにただ甘いものや炭水化物を止めればよいと判断してしまう人が多く、具合の悪くなる人もでてきました。こうなるとバッシングを受けたり、批判が多くなるのは当然です。正しい知識をもち、取り組む方だけが得られる“健康”。
「いつか江部先生をお招きし、長野で一緒に講演会ができたらなぁ」と密かに計画しています。その時にはOさんにも登壇してもらい、思う存分経験をスピーチしていただく予定です。
粉もの大国の長野でどこまで通用するか…楽しみ反面、怖い気もします。この活動で一人でも多くの糖尿病の方が救われるといいなぁとOさんはおっしゃっていました。
心より尊敬します。
副院長 高橋真弓
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