たかはしクリニック院長高橋嗣明
形成外科の専門医。たかはしクリニック開設以来、形成外科の治療だけでなくオーソモレキュラー療法をはじめとする多様な治療を実践し、多くの慢性の難治疾患の治療にあたっています。北里大学医学部・北里大学大学院卒業、東京大学客員研究員・博士号取得。
6月1日は「世界牛乳の日」だそうです。
テレビでは農林水産省の方が牛乳の効果についてパネルを用いて語っていました。
国連食糧農業機関(FAO)が2001年に牛乳への関心を高め、酪農・乳業の仕事を多くの方に知ってもらうことを目的に定めたそうです。私の周りにも酪農家の方はいます。安全な製品を届けるために努力をされている酪農家の方は応援したいと思っていますので、酪農家の方を応援する日として取り上げていただく方が良いと思いました。
ただし、誰もが知っている乳糖不耐症の問題をテレビで「牛乳は温めて飲むと安全です」と説明するのは誤りです。
また説明では牛乳のタンパク質・カルシウムの効果を説明して、これからの季節では「熱中症予防になる」とも話していました。これも鵜呑みにすると危険です。
牛乳は他のミネラル(鉄など)の吸収障害にもなり、腸の炎症につながる場合は大切な水分を奪うことで「熱中症になりやすくなる」こともあるのです。
この問題はCMで薬剤の短期的な副作用、長期的な副作用に触れずに頭痛薬や生理痛の鎮痛薬の宣伝をしていることと同じで危険な情報です。薬品、ワクチンなどもそうですが、それを扱う医療者が正確な薬理情報(副作用の視点からの)を検証してから使用することすら怠っている問題と同じと感じます。影響力のあるテレビからの情報において、リスクは誰もが知っているさわり程度にとどめ、有効性だけを強調することに恐ろしさを感じます。
※「熱中症予防」は利尿作用の少ない水のみ(真夏は質の良い海塩を少し入れる)+体内の水分調節能力に不安な人(気圧の変化の頭痛、浮腫み)は漢方の五苓散の予防的内服が効果的です。
現時点での情報と臨床経験では乳製品はリスクが高いと感じています。あくまで問題を起こしにくい方に限り、リスクを理解した上で、時々嗜好品程度の摂取にすべきと思います。
栄養学的にもタンパク質のカゼイン自体の問題。リンが多い問題。マグネシウム不足下でのカルシウムの危険、残存するホルモンの長期的な問題など効果よりリスクの方が高いと感じています。
欧米では乳製品の摂取量を国を上げて減らすことで、短期的には心筋梗塞などの心血管系の疾患が明らかに減ったことや長期的には乳がんや前立腺がんが減った事実があります。逆にこの取り組みをまったくしない日本人では、乳製品の摂取量が増えるにつれて、心血管系だけでなく遅れてホルモン関連の癌が急激に増え続けているは事実です。
もともと日本人には稀な疾患であったことからも否定できない根拠になっています。また全世界で乳製品の摂取の多い民族は骨粗鬆症の罹患率が高いのも事実です。カルシウムパラドックスの発生です。
クリニックで行う食物不耐症検査や遅延型アレルギー検査でも問題となる検出率の多い食材でもあります。
つまり、腸内の細菌環境を悪化させるリスクが高いことで肌荒れや疲労感にも関与が大きい食品なのです。子どもたちの骨成長のためにと考えるのであれば、まったく逆です。年配者も同じです。もともと便秘の方が乳製品によって腸に炎症を起こすことで快便になったと勘違いしているケースがとても多いのも事実です。
まずは、故・佐藤章夫先生(山梨大学名誉教授)の本「子どもに牛乳はよくない」を是非読んでください。以前にも紹介したことがある本ですが正しい情報で身を守る1つになるはずです。
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